大阪地方裁判所 平成3年(ヨ)1117号 決定 1991年4月23日
債権者
西日本旅客鉄道労働組合
右代表者中央執行委員長
大松益生
右代理人弁護士
相馬達雄
債務者
奥島彰
同
岸本隆雄
同
長田勇
同
小田敏男
同
尾崎康義
右五名代理人弁護士
水嶋晃
同
寺崎昭義
同
町田正男
主文
一 本件仮処分命令の申立てをいずれも却下する。
二 申立費用は債権者の負担とする。
理由
第一申立て
一債務者らは、平成三年四月二三日午後一時三〇分から、大阪市都島区中野町五丁目一〇番地一六〇リバーサイドホテル六階会議室にて開催される、債権者臨時中央委員会に、債権者組合中央執行委員として出席せよ。
二債務者らは、債権者組合中央執行委員として、債権者組合規約に定められた中央本部大会、中央委員会及び中央執行委員会に、同規約の定めるところに従って出席するなどして、同規約に定められた中央本部業務を誠実に執行せよ。
第二当裁判所の判断
一申立て一について
本件疎明資料及び審尋の経過によれば、申立て一記載の臨時中央委員会は、規約にしたがって招集されたものであることが疎明されるから、債務者らは債権者の中央執行委員として、特別の事情のないかぎり、これに出席する義務を有しているとは考えられる。
しかし、本件申立て一については適切な執行方法があるとは考えられず、単に債務者に心理的強制を与えることのみを目的とする仮処分命令を求めるものといわざるをえないから、その申立ては不適法なものというほかない。
二申立て二について
本件全疎明を総合しても、本件申立て二のように抽象的に債務者らが同申立てに掲げるような業務を執行すべき旨を仮処分の方法によって緊急に命じなければならない具体的な理由があることを認めることはできないから、本件申立て二も失当である。
三結論
以上、本件仮処分命令の申立ては理由がないのでこれを却下し、申立費用の負担につき民事保全法七条、民事訴訟法八九条にしたがい、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官岨野悌介 裁判官大段亨 裁判官水谷美穂子)